ツラの皮
「……えーと、そんなわけで、連絡する余裕なくて……ゴメン、ね?体調持ち直してから連絡しようかな、なんて。べ、別に無視したとかじゃなくて、えっと。」
「…………いや。なら、別に。」
体調が悪い上に仕事で凡ミスの連発じゃあ、プライベートに気を裂く心的余裕はないだろう。
それはこの際どーでも良くて。
寧ろ病気で弱った姿が妙に乙女で思わず視線が奪われる。
麻生の前では度々見て、その都度不愉快にさせられたが、まさか俺相手にこんな態度を取る日が来るとは想像だにしなかった。
例え体調不良だとしても気分がイイ。
つか、なんで体調不良でそう可愛くなんだよ、オマエはっ。
そうでなかったら全力で口説きにかかるものを。
て、混乱してんぞ、俺。