ツラの皮
グズグズと言い募ってみたが、誰かが叫んだ「王様ゲーム!」の声の熱狂に気圧されスゴスゴと自分の席へ戻った。
暫くして、いつの間にかいなくなっていた隣の男が何食わぬ顔で戻ってきた。
もう、そんなことどうでもいい。
王様ゲーム苦手なんだよね。
パンダじゃあるまいし、衆人観衆の下、ノリでキスとか勘弁してください。
あー……それより早く帰らなきゃ。
とりあえず王様にも役にもつかず、ゲームは程よく遠いところで盛り上がっていた。
気も漫ろに何度目かの籤を引く。
あ、今度私4だ。
王様誰―?の声に隣の男が籤を上げる。
どんな難題を出されるやら。
下僕に選ばれた奴は哀れな限りだわ。