ツラの皮

確かに。


好きだという告白には
『コイツ、アソビかも』とか
『だからなんなの』とか
『好きは好きだけど』とか、


幾多の方向性に想いは分かれても結論に辿り着かない。




いや……

大抵の女ならそれで話が展開するものだが……。





ともかくアイツが俺のことをどう思っていようとも、とりあえず付き合いを了承させれば、俺は彼氏としての立場と権限を得られるわけだ。


少なくとも周囲への牽制は出来る。


気持ちを傾けるのはそれからでも遅くない。







「オマエにしちゃいつになくいいアドバイスだ。」


「そ？俺はいつもマトモなことしか助言してないと思うんだけどな。」







嘯く麻生に肩を竦め、俺は策謀に頭を巡らせた。