ツラの皮



今度こそ盛大に目口を開け放って、予想外の申し出をした高遠を見詰めた。



「…や、…え…でも、だって…」




聞かせるつもりはなかったけど、聞こえていたんなら多分分かってるはず。


そこがあまりヨロシイ場所ではないことくらい。





「何されんのか知らねぇケド、例え契約であっても違法な要求なら拒否できんだよ。
ま、オマエみたいなどこかヌケたヤツじゃ太刀打ち出来ないかも知んねーけど。」




一々余計。


それに私だって言い分は分かっている。


けど、拒否出来ない事情があるというか……。

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