ツラの皮
「おい、オッサン。ナニ堂々と強盗してやがる。」
「ちっちぇこと言うんじゃねーよ。将来のオトウサマに向かってよ。」
「円の切れ目が縁の切れ目なんだろーが。」
つか、こんな時ダケ親父面すんのはやめてほしい。
鈴の母親に見切られて、未婚のくせに。
そんな言いあいをしている最中玄関のチャイムが鳴った。
次いで、届いた声に俺は目を見開いた。
「やだもー。途中で雨に振られちゃって濡れたー。サムイッ。穂積クン、タオル。」
思わず時計を見る。
時間は一時になろうというトコロ。
今日は平日で……
アイツ、大丈夫かよ?