ツラの皮







誤解です。

部長が考えているような昼ドラみたいにドロドロした核心ではないんですよ、実は。



内心でそう突っ込みつつ、訂正しない私。

もはや賽は投げられたのだ。

今更後戻りなんてデキナイ。




しかし人を陥れようとした罰が当たったのか、途中いきなり雨に見舞われた。


初夏とはいえ、夜、雨に濡れたんじゃ寒い。

部長を急かしてようやく到着したマンションで、私は早速叫び声をあげた。




「やだもー。途中で雨に振られちゃって濡れたー。サムイッ。穂積クン、タオル。」



しかし、まぁ、分かっていたコトだけど、穂積クンが現れる事もなく、部長を従えズカズカと中に踏み込む。




「ちょっと!御命令通り人材連れて来たんだから少しは労って―――」




リビングに踏み込み、言葉が詰まった。




そこに居たのは相変わらずチンピラ穂積クンと赤塚さん……


は、ともかく、麻生さんに―――






た、高遠っ…!!!



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