ツラの皮
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「ちょっともー。自己中男っ。何の説明もなく連れてきた部長置き去りにしちゃったじゃないのよー。」
腕を掴みガシガシ歩く高遠に文句を逆巻く。
まぁ今更何のフォローもデキナイので、逃げられて助かった~と思わなくもないけれど。
「…ひぇっ!?」
いきなり勢いよく引かれ、前のめりになった身体。
文句を言う間もなく、唇が塞がれた。
「…っン…………」
反射的に逃げを打つ。
けれど、後頭部を抑え付けられて身動きも取れない。
噛みつくように重なった唇は、もっともっととせがむ様に奥まで潜入して私を掻っ攫っていく。