ツラの皮
スリー
≪side高遠≫
雨はにわか雨だったらしく俺達が外へ出ると既に止んでいた。
軽く濡れた路をタクシーが拾える繁華街へ向けて歩き出す。
「オマエ……さっきっから顔キモイぞ。」
さっきっからお互い口数は少なくて、繋いだ手が唯一の接点。
チラッと鈴を見れば、へらへらと締まりがナイ笑みを浮かべていて。
「なによーぅ。そーいう高遠だって、さっきっからキモイわよ!」
別に俺は
……緩んでっかもな。
互いに気恥かしくなって何気を装いつつも、やっぱり浮かれた足取りはお互い相変わらずだった。
まるで遊園地なんて子供っぽい、と口で言いつつ、遊園地を目の前にしてソワソワするガキみたいだな。
二人して意地っ張りで。
二人して分かり易く浮かれてる。