ツラの皮

スリー





≪side高遠≫





雨はにわか雨だったらしく俺達が外へ出ると既に止んでいた。


軽く濡れた路をタクシーが拾える繁華街へ向けて歩き出す。




「オマエ……さっきっから顔キモイぞ。」



さっきっからお互い口数は少なくて、繋いだ手が唯一の接点。


チラッと鈴を見れば、へらへらと締まりがナイ笑みを浮かべていて。





「なによーぅ。そーいう高遠だって、さっきっからキモイわよ!」



別に俺は





……緩んでっかもな。






互いに気恥かしくなって何気を装いつつも、やっぱり浮かれた足取りはお互い相変わらずだった。


まるで遊園地なんて子供っぽい、と口で言いつつ、遊園地を目の前にしてソワソワするガキみたいだな。



二人して意地っ張りで。

二人して分かり易く浮かれてる。



< 252 / 403 >

この作品をシェア

pagetop