ツラの皮
一緒に居る時間を鈴も少なからずウレシイと感じてくれている事がウレシイ。
ただでさえ鈴欠乏気味なトコロにそう言う態度を見せつけられたら、抑制心なんて跡形もナイ。
鈴の身体を考えてだとか、明日の仕事を考えてだとか、大人として色々考慮すべき事はあるけれど……
大人だからこそ。
時々、子供みたいに欲求のままに振る舞うのも―――アリ、だろ。
それが時と場合と相手によるってんなら尚更、今がその時ダ。
タクシー乗り場にて、数台残るタクシーに向けて手をあげようとしたトコロ―――
どんっ☆
「ぅわ…っ!?」
後ろからタックルをかまされ前につんのめった。
なんだ!?
新手の暴漢かよ!?
驚いて後ろを振り返り
―――言葉を失った。