ツラの皮

「前にも言ったけど、俺はもうオマエをどうもこうも思ってねぇんだよ。]





今更雪乃の好きが本気だろうと演技だろうと、もう戻れない。




「付き合えねェ一番の原因は、オマエがどうってことじゃなくて……俺に今、どーしよーもなく惚れてる女がいるから。だ。」





鈴が好きなんだ。


単純に、明快に、鈴が好き…ただそれだけだ。






挨拶に手を振る事もなく、俺は踵を返して来た道を歩き出した。











―――遊びなら上手くやれたんだ。


自分を制御して、スマートにライトに。

付き合いばかりか別れる事ですらそれはそれは上手くやってのけていた。








のに。





本気になった途端どうしてこうも思い通りにイカナイんだ？