ツラの皮
「ボヤボヤして失態犯すんじゃないぞ。」
「は、はいっ!!」
部長の駄目だしを浴びながら、踏み込んだのは日本料亭。
格式高いっ。
ってコトは相手も相当な身分だ。
ひぇぇい。
単なる補佐とはいえ、私なんかで用が足りるの!?
先に少しプライベートな会話をするだろうからと、先に部屋に行った部長と別れて、隣に用意されていた部屋で待機する。
時間が来て、私は今一度自分の姿を確認し、深呼吸と共に隣の部屋へ行った。
「失礼致します。」
内心の動揺は覆い隠し、デキル秘書みたいな気分で襖を開け放った。
顔を上げ、その光景にちょっとばかし放心した。