ツラの皮


「結婚式に乗り込んで花嫁を掻っ攫うなんてジェームスディーンみたい…」


「女の子なら誰しも憧れる最高のシチュエーションよね……」



それ、私がジェームスディーン!?

いや、コレ結婚式じゃないから!!

それに私、掻っ攫いに来たんじゃなくて接客補佐に来たンですけど!?




むぅと口を噤むオッサン二人。

部長はユリカさんとやらに視線を向けた。




「ユリカ、悪いな。でもオマエなら俺なんかよりずっとイイ男がいる。諦めずに、幸せになれ。」


「……碧樹。」





その言葉に少なからず悲しげな顔を見せるかと思ったユリカさんは、




何故かどこかほっとした顔をしていた。




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