ツラの皮

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「どういうことですか部長!!!ちゃんと説明して下さいっ!!!」




料亭を出て、当たり前だが私は部長に詰め寄った。





「説明な…。こないだ俺は見知らぬ場所に何の説明もなく置き去りにされたっけな。」



……ぐぅ!!

そうですけど。

そうかもしれませんけど!!



碧樹部長は軽く肩を竦めた。




「両家は昔からの顔馴染みで、将来自分の子供等を結婚させようと約束してたんだ。尤も他愛無い口約束だったわけだが、この歳になっていよいよ本気で結婚させようと話を進めてきたから、断ったまでだ。」


「そんなの自力で断って下さい!!」


「俺もそのつもりだったが、丁度イイカノジョ役が見つかったんでな。断るにしても何かハッキリした理由があった方が相手も納得できるってもんだろう。」



「っ~~~!!」






部長を麻雀に誘うなんて愚行を犯した過去の私を呪ってやりたい。


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