ツラの皮






「…高遠……」



…なんか話すんじゃなかったの?






なんて考えが頭を掠めたけど、結局口にしなかった。




私を組み敷く男はそりゃもう壮絶に色っぽい。



整った顔立ちは綺麗なくせに、欲情を隠しもしない双眸は獣染みていて―――





「…鈴」




キスと共に囁く名前は際限なく甘い。






< 297 / 403 >

この作品をシェア

pagetop