ツラの皮
とりあえずさぁ、成り行きとはいえ、私の彼氏貸してるわけだし?
謝罪の一つでも―――
「あ。あれ、業となの。」
雪乃さんは実にけろっとそう言った。
「……は?業とって?」
「うん。実は、あの日後ろに居たのがマスコミだって私、知ってたの。」
なんだ……
ストーカーじゃなくてホントヨカッタよね…。
じゃないってば!!!
「はぁ!?ちょ…え?じゃあ、知ってて業と高遠と誤解されるような写真撮らせたってコト!?」
詰め寄る私に雪乃さんは「だって…」と切なげで真剣な顔を向けた。
「だって、高遠のコト諦められなくて。」
「や、だからって……」
「鈴さんはオトモダチが彼女の居る男の子を好きになったら、諦めろって言うかな。そりゃイイコトじゃないけど、それでも本気なら頑張れって応援するよね?」
「えっ!?う゛…そりゃ……」
なんか少女マンガかなんかの設定にありがちだけど。
確かに、そんな立場ならヒトの気持ちは自由だよ、とか言って励ますかもしれない…。
え?あれ?えっと……