ツラの皮
エイト
≪side 鈴≫
午後の三時。
郵便局までお使いに出た私。
睡魔の襲撃に見舞われている私を見た部長が「この定型外郵便を出して来い。」とオフィスから追い出したのだ。
部長ナイスアシストです。
無事お使いも終わってオフィスに帰ろうというトコロ。
「あら…アナタは…」
擦れ違った人のそんなセリフに私は足を止め怪訝に振り返った。
まぁ。お上品な御婦人。
藤色の着物にキレイに結いあげられた髪。うなじが色っぽいわ。
白い日傘もステキ。
…てか、この女性は誰でしたっけ?