ツラの皮





『……そーかよ。勝手にしろ。』




次に聞こえてきたのは抑陽もナイそんな言葉で。


いきなり電話が切られた。



ぶちっ……





「はぁぁぁ!?雪乃さんの弁解は聞いてあげたのに、アンタは私の話も聞かずに切るってどーいう神経っ!?てか、この状況どーにかするために一緒に悩んでくれるのが彼氏ってもんじゃないの!?サイテ―ッ!!!」







既に切られた携帯に向かって、声の限り怒鳴った。


悔しくて。


話もさせてもらえず一方的に見限られたのが悲しくて。


怒鳴ってでもいなきゃ……やってられなかった。









携帯を睨みつけて、上ずった息に胸を上下させていると、不意に携帯が手から抜き取られた。




「ヤツ当たりに携帯を壊されるのは勘弁だから返してね♪」




……麻生さん。


< 328 / 403 >

この作品をシェア

pagetop