ツラの皮










新参者を加えたマージャン大会は中々新鮮味があって、ところどころに余計な暴露話を挟んで最終を迎えた。




勝ち逃げは私。


ぼやけた笑顔を浮かべたままユラユラと動いている赤塚さんから負け分を無情に徴収。


穂積クンと高遠はやっぱり気が合うのかプラマイゼロで引き分けた。







始発が動き出す時間。



うすらぼやけた空の元、私は睡眠不足もなんのその、勝利と借金チャラでホクホクしながら電車の到来を待つ。






「オマエ、タチバナのこと何でオヤジって呼ばねーの?」





高遠はベンチの隣でいぎたなく身体を投げ出し、咥え煙草でボンヤリ空を見上げている。







ここに来た途端、いきなり呼び捨てですか。


って、麻雀の最中にはオッサンになっていたけど。





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