ツラの皮



ゴメンナサイ…そう言って謝りたいけど、謝る相手は麻生さんじゃないと分かっているから俯くことしかデキナイ。



萎れた私を慰めるように頭をぽんぽん撫でられた。



「まぁ、事態が急を要しそうだったから、荒療治だったんだけど。本来、部長の件に関しては鈴ちゃん一人が悪いってワケでもナイよ。鈍感な鈴ちゃん相手に、カッコつけて言わなかった高遠も悪いしね。」




…鈍感な鈴でスミマセン。





「…私高遠とちゃんと話する。ちゃんと説明する……自信はないケド、分かってくれるまで一生験命伝えてみる…っ。」



善は急げ。


メールで約束を取り付けようと携帯を取り出した私を麻生さんが止めた。





「まぁ、待って。ああなると高遠って意固地だよ。普段、スカしてる分、拗ねると意地になる。バカで俺様で単細胞で、打たれ弱いもんだからねぇ…」





……貶し言葉がまた一つ増えてます。麻生さん。


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