ツラの皮
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オフィスに戻ると際奥のデスクでPCを打っていた男が尖った視線を上げた。
「オマエはガキの使いも満足に出来ないのか。郵便出してくるだけで一体どんだけ掛かっている。」
冷たい嫌味をバンバンに打ってくる部長に私も負けじとデスクに郵送控えを叩きつけた。
「モーシワケゴザイマセン。お使いの途中で“ボクちゃん”のママンに出くわして御挨拶してましたので!」
周囲に会話が聞こえないひっくい声で言って、上から睨みつける。
ボクちゃんのママンという嫌味で部長には状況が分かったらしく、複雑怪奇な無表情で見返された。
「どーします?ここで言いたい事ぶちまけても構いませんけど。」
そう言えば、部長ははぁっと溜息を吐いて立ち上がった。
「その件については会議室で話す。…第一ミーティングルーム行ってくる。」
あたかも何かの打ち合わせみたいに周囲に言って、部長と私はミーティングルームへ向かった。