ツラの皮



スルリ―――部長の指が私の頬を撫でた。







「オマエを捕まえる事。」







…………………。

…………。

……は?





部長を見上げれば、威圧的なライオンみたいな目で見つめ返される。


捕まえる―――それは言葉通り、捕食という意味だろうかと勘ぐってしまうくらいで。


私を食べてもあんまり美味しくないと思います、と半ば本気で言い返そうかと思った。


…けれども。





「いたたたぁーい!!」



頬を撫でた指にいきなり頬を摘まれて悲鳴を上げる。




「鈍感もここまで来ると腹が立つな。カワイさ余って憎さ百倍ってヤツか。」





いや、部長、絶対私のコトカワイイなんて欠片も思ってナイでしょ!?




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