ツラの皮



「し…信じらんないっ。このバカ部長!!腹黒、鉄仮面―っ!!!」


「今のうちになんとでも言っておけ。見合いと同じで結婚してからゆっくりと愛を育めばいいだけの話だ。」


「っ…!?け、結婚なんてするワケないでしょ!!なんで、部長なんかと…っ」




慌てふためきそう言い返せば、部長は堪えた風もなくニヤリと笑った。




「さぁな?こんな間にも俺の両親はすっかりその気で、会うヤツやら親戚やらに“俺のフィアンセ”を吹聴してるだろうな。…みんなにのっぴきならない立場にまで祭り上げられたトコロで、オマエがどう反抗してみせるかは見物だが…。」





し、信じらんないっっ!!!


親族やら周囲に誤解させるトコロまで織りこみ済みなの!?


この悪党っっ!!!




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