ツラの皮
周囲の余計な横槍の所為で、しなくてもイイ喧嘩をし、振りまわされし、全く自分たちのペースが掴めない。
前途多難…と思えば自然と溜息が零れた。
「まぁ、早急になんか考えっから…とりあえず帰っか。」
「う、うん……」
「俺ン家に。」
「ぅん……って、えぇっ!?」
は?何?
俺が拒否させると思ってんのか?
目で圧力をかければ鈴はうっと呻き、赤くなった顔を反らして「…べ、別にイイケドさ…」と言い訳みたいに呟いた。
…そうだな。
同棲は追々にするとしても替えの服ぐらい俺ントコロに置いておけと後で進言しとくか。