ツラの皮



「さすがにブチョーもまさかこんなどんでん返しされるなんて思わないだろ。」


「見たかったなぁ。唖然とするブチョー。」



ふんっ、と高遠が鼻を鳴らす。



「あんなヤツに負けてたまるか。俺達が誰よりも先に一番幸せになってやっから。」



な、と言うように視線を向けられて、瞬間赤くなった顔が恥ずかしくて「あ~」だか、「う~」と微妙な返事なった。


途端に高遠の眉間に皺が寄った。


ええ!
言いたい事は分かってますとも。


『なんだそりゃ、俺と結婚したくねぇってのか!?』と凄んでらっしゃるんだよね!?


分かってるけどっ、ウレシイんだけれどもっ


そんなステキ笑顔でドストレートなコト言われたら、コッチは胸キュンキュンで、素直に「はい」とか言いにくいのっ。


猛烈に照れるんだからね!!



剣呑な二人の空気を一蹴するように歌うような「ロン」の声。



…ええ。スミマセン。


かなり重要な話をしている最中デスが、同時に恒例の麻雀大会も恙無く取り行われていたりする。


本当にマジメに話してンのかと突っ込みたくなるようなこの状況。


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