ツラの皮



「高遠には悪いけどぉ、俺が一抜け~♪」



にやっと笑う麻生さんに高遠が眉を顰める。



「はぁっ?……俺が言ってンのはコッチじゃなくだな…」


「だーから。ソッチの話でしょ?俺もうすぐ結婚すんだよね。」


「「「はぁ!?」」」



話を聞けば、麻生さんは以前の高遠同様ふらふら遊んでいると見せかけて、実は一途に追っかけていた女性がいたとか。


それがこの度晴れてゴールイン…って。


てか、彼女が妊娠したらしい、って、一体いつから付き合ってたの、麻生さんっ!!



「付き合いは結構前からだよ。でも中々結婚までは踏み切って貰えなくてねぇ…」


「踏み切ってもらえなくてなんなんだよ……はっ!?…まさか計画的?」



「さぁ、どうでしょう?」



ふふふっと笑う麻生さんに一同言葉を失った。






(((ぅ゛わ~…一番侮れない万馬券…)))



笑顔の麻生さんが心底怖い人だと知った。



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