ツラの皮
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「はぁ…出鼻挫かれた……」
説明も終えて、穂積プレゼンツ麻雀の会を抜けだして帰る道。
隣で高遠がげんなり溜息を吐いている。
まぁ、そうなる気持ちは分からないでもないけど。
お互い視線は進行方向。
繋いだ手が唯一の接点。
「まぁ、順番なんてカンケーねーや。…俺との結婚考えとけよ。」
「う、うんっ…。って、直ぐにとかは無理だからね!?そりゃイイ歳だけど、色々段階踏んで行きたいって言うか…!!」
「あ~…付き合ってからまともにデートした事もねもんなぁ俺達。」
「うんっ、そう!!そう言うトコロとかね!」
「だな。一先ず恋人っぽいトコロから楽しんでくか。」
「…うん!!」
イイ歳だし、結婚も考えてナイワケじゃない。
高遠と結婚するのが嫌なワケじゃない。
けど、どうせならもっと恋人の時間も堪能しておきたいって言う気持ち…
高遠も同じ気持ちでいてくれるのがウレシイ。