ツラの皮
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呼びつけられたのは繁華街のカクテルバー。
と、いっても大人がしっぽり語らうような静かなところじゃなくて、控えめなりに客の喧騒とジャズが心地よい店だ。
絞ったライトに、茶色を貴重としたインテリア。
窓際のボックス席に二、三人グループが二組、グラウンドのボックスにカップルが一組。
ドアを開けると正面のカウンターにいた男が相変わらず漂然とした笑顔で手を振ってきた。
その何も知らない笑顔が私を逆なでした。
「よー。意外に早かったな。つか、何変な顔してぼったってんだ。早く座れ。」
何か、泣きたくなってきた。
そんなアホ面で娘と飲んでる場合じゃないんだよ、穂積クン。