ツラの皮






不意に唇を柔らかいもので傍若無人に塞がれた。






は?

ナニコレ。





キスされているのだと認識する間に、滑り込んできた舌で口内を隈なく蹂躙された。



自慢じゃないけど、キスなんて数年前のカレシ以来で、直ぐに逆上せた。

その巧みさにも。






「鈴」






真意が知りたくて、離れた男をぼうっと見詰めていると名前を呼ばれた。


そのいつになく甘い声音にぞくっと体が震える。






「俺にしとけ。大切にしてやるから。」





もとより見蕩れてしまうほど整った顔が艶めいていて目を奪われる。









って、……今なんつった?






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