ツラの皮






「穂積クン、この前の話なんだけど。お母さん結婚する気ないんだって。」






「へー」と相変わらずな穂積クンの返事に被さるように「はぁっ!?」と素っ頓狂な声が轟いた。


高遠が鳩が豆鉄砲を食らったような顔で固まっている。




あ~………

そういえばアレもそもそもこのことが原因だっけ。

誠心誠意慰めた結果がコレでは報われない。

というか……無駄骨?






「ご、ごめんね。人ン家の母親の結婚騒動なのに不可抗力で巻き込んで心配させて。お騒がせ―――きゃああ」





高遠一人に謝るのも意味深かと、さりげに二人に向けて謝っていると、いきなり全身を礫が打った。




高遠が手元のパイを無造作に掴んで投げはなったのだ。



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