ツラの皮
「な、なんで?」
心臓がにわかに騒ぎ出す。
ひょっとしてこれはデートのお誘いとか言うヤツ?
と、経緯も忘れて早合点に動揺していると、高遠は呆れたように鼻で笑った。
「現ナマで払えないなら肉体労働で返すのが世の常だろーが。一日、奴隷として扱き使ってチャラにしてやるっつってんだよ。」
あー………奴隷。
奴隷ね。
そ、そうだよね。
何をオメデタイ勘違いしてんだか!
って、別に期待したわけじゃないし。
停車中に慌てて連絡先を交換し、ベルの音に慌てふためいてプラットホームへ転がり出た。