ツラの皮
鏡の前で服装をチェックしながら鼻息も荒く拳を固めていると、携帯電話が鳴り出した。
相手は高遠で……
アレ?
指定時間にはまだ余裕があるよね?
「もしも……」
『家どこだ。』
「は?家?」
十時、と端的に言われただけであえて集合場所は指定されてなかった。
奴隷として酷使するというからには家の掃除とかで、家に行けばいいのかと思ってんだけど……。
ワケが分からないまでも、俺様な要求にとりあえず家の場所を説明する。
電話を切って首を傾げていると、数分経って玄関のチャイムが鳴った。