ツラの皮

地団太を踏む代わりに唇を尖らせて精一杯お怒りの意思表示をしながら、行く先を考えた。


行きたい場所には当てがあって、直ぐに思いついたんだけど……。






「・・・ねぇ。本当にどこでも良い?」




「ああ。」



「本当に、本当に、本当に良いのね?着いてから文句言ったりしないでよね。」





シツコイと一蹴され、私は車を発進させた。






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