ツラの皮
高遠が連れてきたのは繁華街にあるホテルのレストラン。
料理も景色も良いが、それほど格式ばったとこでもなくお値段もそこそこなのだとか。
夜景も結構イイぞと乙女ココロを擽る台詞で、食事を終えた後、もう一つ上の階にあるスカイラウンジで酒を嗜むことになった。
下の階で茜色から濃紺に色を変えていく景色も最高だったけれど、宝石を鏤めたような夜景も甲乙付けがたいほどステキだった。
「良いわ~」
夜景を堪能するために設置された窓際のカウンター。
私の緩みっぱなしの顔を見て高遠が怪訝に眉を顰める。
「どこ見ていってやがる。」
「え~?」