ツラの皮
それは言えないけど。
高遠ってやっぱ絵になるわねぇ。
すらっとしたモデル体系。
長い足を持て余すみたいに組んで。
夜景をバックに一人クールな顔でグラスを傾けて様になる男なんてそうそういないわよ。
みてくれだけは自信持っていいわよ。
高遠が眉間に皺を寄せて深い溜息を零す。
「……大抵そーいうのは男の台詞だろうが。つか、一人って……自分の存在どこに葬り去ってんだよ。」
げ、私ってばまた口走っていた?
慌てて口を塞ぐが「もう諦めとけ」と冷ややかに一蹴された。
ちぇ。
確かにお酒が入ると駄々漏れ思考だけど、相手が高遠じゃなかったら私だってもう少しはネコ被っていられるもん。