蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—
「俺にもまだ分(ぶ)はあるって事でいい?」
「分って……ふざけないでください!
私の事なんて何とも思ってないくせに……。
私だってもう……課長の事なんか―――」
「おまえが嘘つくときのクセ、教えてやろうか」
「……え?」
「嘘つく時、必ず目を逸らすんだよ。いつもは真っ直ぐ人の目見るくせに。
で、この部屋入ってきてから今まで、俺とほとんど目を合わせてない。
それがどういう意味が分かる?」
「……分かりません」
課長はクって喉の奥で笑ってから、私の顎に手をかけた。
そして、無理やり顔を上げさせて目を合わせる。
「ほら、また逸らしてた」
「そんなの……、課長の思い込みです。
私は男の人が苦手だから、元からそんなに目は合わせないですし。
課長だって、それは知ってるハズです」