蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—
「散らかってるけど、適当に座って」
「おじゃまします……」
あまりキョロキョロしちゃ失礼だと思いながらも、興味が抑えきれずにちらっと部屋を見回す。
1LDKの部屋を仕切る壁やドアはなくて、一間続きだった。
外壁と同じダークグレーの壁紙と、白い天井。
フローリングは濃い色のブラウンで、キッチンも壁紙と同じような色だった。
かなりシックな部屋の奥にはパソコンの置いてあるデスクがあって、書類が広がってる。
その近くにはベッドがあって……。
なんだか見ちゃいけないものを見ちゃった気分になって、バって目をそらした。
「吉野、こっち」
「あ、はい」
課長が呼んでくれたのは、部屋の中央にあるテーブル。
楕円形のガラスのテーブルの上には、湯気をたてる紅茶とコーヒーがあった。