蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—
「事情があったとしても、吉野は平気で男の部屋に上がったりしないだろ?
なのに、俺の部屋に上がってお茶して……。
どういうつもりでいるんだろって、吉野が部屋に入った時からずっと考えてた」
責められてるわけじゃないのは、課長の口調で分かった。
課長が聞いてるのは……多分、私の気持ち。
何を期待して部屋に上がったのか。
そういう事。
何かしらを期待をした自分を見透かされた気持ちになって、顔が熱を持つ。
「俺のうぬぼれた考えで悪いけど、ふたりきりって分かった上で部屋に入ったって事は……触れてもいいって事?」
知美と一緒でも、松浦の部屋には入れなかった。
なのに、課長の部屋にはひとりでも入れた。
やむおえない事情があったのは確かだけど……。
私は多分、同じ状況に置かれたとしても、課長の部屋以外だったら入っていない。
お金を借りてその場で帰ってた。