蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—


「……っ、あ、課長……、」

背中に回った手にホックを外されて思わず呼ぶと、課長が顔をあげて私を見つめる。
熱がこもって見える瞳にとらえられて、胸が大きく跳ねた。

「俺が怖い?」
「え……」

直接触れてくる手。
課長の大きな手に包まれて、顔が一気に熱を帯びる。

「松浦と身体の関係になってないのは、俺が怖がらせたせい?」
「や…っ、かちょ、う……っ」

言っている意味が分からなくて、ちゃんと聞き返したいのに。
課長の手は止まる事なく行為を続けているから、きちんとした言葉が返せない。

「課長……っ」
「―――優花」

私を呼んだ声が、今までのトーンとは違う気がしてゆっくりと目を合わせる。
課長は私を見つめたまま、苦しそうな微笑みを浮かべていた。



< 116 / 225 >

この作品をシェア

pagetop