蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—


「そういう事は、本人から言われない限りは信用しない事にしてるから。
四年前だって、勝手にうぬぼれて手離す羽目になった。
それを今でも後悔してるって、こないだ飲んだ時散々聞かされたって言ったのはおまえだろ」

徐々に冴えてきた耳と頭。
四年前っていう単語に、耳が反応する。
別に私の事を言ってるわけじゃないのに。
自意識過剰なのは分かってるけど……話の内容が気になって仕方ない。

「とりあえず、可哀想だから取り上げたモノ持ってこい。
別に、今回の事は説教しようとも思ってないから。……ああ、分かった」

通話を終了した課長が、こっちを振り返る。
まだ寝ていると思ってたのか、課長は少し驚いた顔で私を見た。

「起きてたのか」
「あ、はい……。すみませんでした。ベッド借りちゃって……」
「いや、俺もちゃんと寝られたから大丈夫。
吉野、朝はパン? ご飯?」
「あ……いつもは朝ご飯炊くのが面倒でパンです」


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