蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—
そんな事を思いながら課長にお礼を言って、帰路についた。
そして、知美から鞄を受け取って「少し寄って行ってもいい?」っていう知美を部屋に上げて10分が経っていた。
「……もうやめてね。ああいう事」
ぼそっと言うと、知美は尚も笑顔で頷く。
「本当にごめんなさい。
なんだかじれったく思えて放っておけなかったんだけど、当人同士の問題だものね。
もうしないわ。……なるべく」
「なるべく……?
っていうか、本当に反省してくれてる?」
聞き捨てならない言葉が聞こえて知美を見る。
さっきからずっと笑顔だし、言葉では謝ってくれているけど、本当にそう思ってくれているとは思えなくて聞く。
知美はしゅんとでも聞こえてきそうなほど表情を曇らせて「そんな、私本当に反省してるのに……」と呟いた。