蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—
ほんのり甘いプリンが課長の部屋を思い出させるから、顔が勝手に熱を持つ。
それを隠すみたいに、俯いて冷たいスプーンを口に入れた。
「ところで、昨日の夜は課長とちゃんと話せたの?」
「ちゃんとって……私の気持ちをって事?」
「それもだけど、過去の事とか。
私思うんだけど、四年前の事って、課長と優花勘違いし合ってる気がするの」
「勘違いなんてしてないよ」
「でも、優花が勝手に身を引いただけで、課長から別れようって言われたわけじゃないんでしょ?」
「それはそうだけど……」
「それに、元カノが訪ねてきたのは事実だろうけど、そこで課長がなんて返事をしたのか、優花は聞いてないじゃない。
そこからはお互い逃げて終わってる」
課長は逃げたわけじゃないと思うけど。
私が事実を確かめるのが怖くて、課長から別れを切り出されるのが怖くて逃げたのは本当だ。
元カノとどうなったかなんて聞くまでもないと思ってたし、課長の『ごめん』が全部を物語ってるんだって思ってたけど……。