蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—
知美が変な事を言い出すせいで、もしかしたら違ってたんじゃないか、なんて淡い期待が生まれてしまう。
別れのメールを送った後、一度だけ待ち伏せして会いにきてくれたけど、あの時、もしかしたら課長は何かを伝えようとしてたのかな、なんて、自分勝手な期待が。
「大体、課長は私の携帯番号知ってるハズでしょ。
一度かけて優花をお願いしますって言ったんだし」
「知美が電源切ってたんじゃないの?
課長、全然かけ直す素振り見せないから、てっきりそうなのかと思ってた……。
だから、他に連絡するあてもないから私が可哀想になって泊めてくれたのかなって……」
「ちゃんと入れてたわよ。本当に迷惑ならすぐにかけ直してくるって思ってたから、下でしばらく電話待ちしてたんだから。
10分待ってこないから、気になりながらも帰ったんだけど」
「10分いたなら迎えにきてくれればよかったのに」
「そんなすぐ引き返すなら最初から優花を置いてけぼりになんてしてないわ。
お互いにいいチャンスなんじゃないかと思って、叱られるの覚悟でしたんだもの」