蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—


考えてみれば、今回の事は知美にとってはなんのメリットもない。
むしろデメリットしかない。
少しSっ気はあるものの、私が本当に嫌がる事をするような子じゃないし、それをして喜ぶなんて子でもない。

知美にしてみれば、本当にただ私のためを思ってしてくれた事なのかもしれない。
後で課長と私に怒られるのを覚悟した上で、私のために……。

そう思うと、怒っていた気持ちが申し訳ない気持ちに変わっていく。
私のために行動してくれて、それを課長に怒られて、私にプリンまで買ってきてくれて……。

知美にはなんの得もないのに。
まぁでも、そんな風に考えられるのは、課長とそんな悪くない感じで別れられたからかもしれない。
もしも四年前の話とかになってボロボロに傷ついてたりしたら、こんな風に素直に知美を許せたりはしなかったかもしれないし。

どちらにしても、知美の行動力はすごいと思うけれど。



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