蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—
「普通なら一泊させてから、なんて悠長な事しないでしょ? 上司と部下の関係なんだもの。
変な噂でも立ったら、課長もマズイだろうし」
知美の言うとおりだ。
私はなんの立場もないけど、課長は肩書もあるし、事実じゃなくても部下に手を出したなんて噂が広まってしまったら絶対にマズイ。
じゃあ、なんで。
黙って考えていると、こっちを見た知美が真面目な顔で言う。
「課長も、優花の事まだ想ってるんじゃない?」
「まさか……」
「優花が勝手にそう思い込んでるだけで、本当は好きなのかもしれないじゃない。
課長の気持ちを直接聞いたわけじゃないんでしょ?」
「それは……うん」
「じゃあ違うとも言い切れないじゃない」
強く言い切られて、何も言えなくなる。
確かに今までのは全部私の勝手な解釈だ。
四年前の事に関しては、課長の部屋に元カノが訪ねてきたって事以外は全部私の想像であって事実とは限らない。