蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—
「なんで、そんな期待持たせるような事言うの……?」
私の心の変化に気づいたのか、知美は満足そうに微笑む。
「だって、優花に心残りなんてないくらいやり遂げて欲しいんだもの。
そこまで好きになれる人がいる事、当たり前じゃないのよ。
男の人が苦手な優花が唯一好きになれて、しかも何年間も忘れられない相手に出会えるなんて、運命じゃない」
運命なんておおげさな言葉を私の恋に使っていいのかは分からない。
でも、知美の言葉に胸がトクントクンと期待を膨らます。
「それに、私優花の事大好きだもの。
控えめで大人しくて臆病で、でもすごく優しくて可愛い。応援したくなって当然じゃない。
頑張ってよ、優花」
知美の言葉に、返事に悩んだ後、コクンと頷いた。
私なりに頑張って、きちんと気持ちをさらけ出して……もしも、それで傷つくことになっても。
課長相手ならそれも悪くないのかもしれない。
課長にもらった傷なら、どんなに痛んでも受け止められる気がするから。
四年間閉じ込めていたままの届かない想いと一緒に。