蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—


「行きましたっ。ちゃんと安部先輩が中心になってお見舞いを用意した事も言いましたし。
それでこれ、ちょっと余っちゃったので、お釣り……」
「お釣り? なに、そんな安いもの買っていったわけ?」
「ぷりんを持っていったんですけど、あまりたくさん持っていっても余ってしまうかと思って……」
「まぁ、それもそうね。
気遣いのできない女だと思われてもマイナスだし。でもプリンか~。
なんか普通よねぇ」
「すみません……」
「でもとりあえずありがと。お釣りはお使い賃としてもらっていいわよ。
どうせ大したお金にならないでしょ」

ありがとうございます、とお礼を言うと、「それより」と先輩が目を輝かせる。

「課長の家、どんなだった?」
「え、あ……玄関先で帰ってきたので、中までは……」
「えー。でもまぁそうよね。
中まで入り込んだなんて言われても、そっちの方が激怒もんだし」

本当はその逆鱗に触れるところだったのかと苦笑いをもらしていると、ポンと明るい音が響いてドアが開く。



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