蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—


でも、無視される理由が思い当らない。
金曜日の夜はいきなり押しかけて迷惑かけたとは思うけど、その夜も翌日の朝も、課長は普通だったし、怒ってる素振りなんて見せなかった。
別れ際も、普通に笑ってたのに……。

私、何かしたの?

一瞬にして不安に駆られそうになったけど、不安を振り落すように頭を振って、気持ちを切り替えるように努力する。
たまたまかもしれないし、無視したってわけじゃないかもしれない。

せっかく頑張ろうって決めたんだから、こんな事でしょげてちゃダメだ。

そう自分に言い聞かせて、顔を上げた。

大丈夫。結果はどうでも、きっと頑張れる。
頑張らなきゃ。


だけど、そんな私の意気込みは、日が経つごとに減っていって、週の折り返しをすぎた木曜日の朝には完全に消滅していた。
理由はと言えば、課長の態度につきる。


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