蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—


ずっと、課長とは距離を置きたいって考えてたのに……。
気持ちの変化に驚く。

ずっと近づいてこれ以上好きになるのが怖いと思ってた。
今までの私は、もう必要以上近づかないって決めてたんだから、今は絶好のチャンスのハズだ。

課長から距離を置いてくれているんだから、このまま私も離れていけばいいだけの事なのに。

そんな考え浮かばなかった。

ちゃんと理由が知りたい。
こんなもやもやしたままじゃ終われない――。

「吉野ぉ」

きゅっと口を結んでそう思っていた時、呼び止められた。
振り向くと、食堂から出てきた安部先輩がいて、その顔はひどく落胆しているみたいだった。

「どうしたんですか?」
「この間の合コンでいい感じになったN銀行の人、実は彼女がいるんだって……。
ずっといないって言ってたのに、さっきメールきて、本当は彼女いるからふたりきりでは会えないとか言ってきてさー」
「あ、先週の?」


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