蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—


課長のお見舞いとブッキングしたって言っていた合コンを思い出す。

「そう。もう最悪。っていうか、彼女いるなら合コン来るなって話なんだけど」
「そうですよね……。彼女が可哀想」
「彼女もだけど私も可哀想でしょ? もう泣きっ面に蜂だよ」
「泣きっ面に蜂? その話聞く前から何かに落ち込んでたって事ですか?」

何気なく聞いた質問だったけど、返ってきた言葉は、今の私には衝撃的すぎるものだった。
安部先輩は大きなため息交じりで「それがさ」と話し出す。

「課長、縁談がまとまったらしいよ」
「――え?」
「上から持ちかけられてたみたいで、前から噂は聞いてたけど、それがうまくいったらしくて。
日曜日、キレイな女と歩いてたって噂になってる」

頭の中が真っ白になって、何も考えられなくなった。
そんな空っぽになった頭に、安部先輩の言葉が繰り返される。



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