蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—


『課長、縁談がまとまったらしいよ』
『日曜日、キレイな女と歩いてたって』

縁談って……課長が?
だって、金曜日泊まった時にはそんな話してなかったのに……。

何度も何度もリピートされるそれに呆然としていたけど、月曜日からの課長の態度を思い出してハっとした。

縁談がまとまったから冷たくなったって考えると、納得できたから。
あの優しい課長が、理由もなくあんな風に無視したり拒絶するなんておかしい。
でも、恋人ができたからって考えれば全部が納得いく。

私にだけ冷たいのは、きっとほんの一時期でもそういう関係にあったからだ。
恋人からすれば、一応私は課長の元カノになるし、気になるかもしれない。

課長が私と昔付き合っていた事をわざわざ恋人に言うとは思えないけど、恋人のために念のため私とは距離を置いたと思えば自然だ。

恋人が傷つかないように。




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